こんにちは。今日は少しだけ国語の教科書を離れて、「読書の魔法」についてお話ししたいと思います。
中学受験の勉強では、物語文・説明文・論説文と、たくさんの文章を読みますよね。ときには「なんでこんなに読まなきゃいけないの?」と思うこともあるかもしれません。
でも、もし「読むこと」そのものが、人生を少し豊かにしてくれるものだったら?
今日はそんな“読む喜び”に気づかせてくれる作家を紹介します。
メーテルリンクって、だれ?
メーテルリンク(Maurice Maeterlinck)は、1862年にベルギーで生まれた詩人・劇作家です。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、彼は1911年にノーベル文学賞を受賞したほどの人物です。
彼の作品の中で、特に有名なのが『青い鳥(L’Oiseau bleu)』というお話です。
もしかすると、どこかで聞いたことがあるかもしれませんね?
この「青い鳥」は、ただのきれいな鳥ではありません。「幸せの象徴」として描かれているんです。
幸せって、どこにあるの?
『青い鳥』は、チルチルとミチルという兄妹が、「幸せの青い鳥」を探す旅に出るという物語です。
旅の途中、ふたりは「思い出の国」や「夜の国」、「未来の国」など、さまざまな世界を訪れます。
不思議な登場人物たちとの出会い、見たこともない景色。
でも、最後にわかるのは――青い鳥(=幸せ)は、ずっとそばにあったということ。
この話は、中学受験の国語でもとても大切なテーマ「本当の幸せとは何か」「見えないものの価値」に深くつながっています。
メーテルリンクが伝えたかったこと
メーテルリンクの物語は、派手な冒険ではありません。
でも、読む人の心に静かに、でも確かに語りかけてきます。
彼はこう考えていました。
「人間にとって本当に大切なものは、目には見えない。けれど、感じることはできる」
この考え方は、フランスの『星の王子さま』や、日本の宮沢賢治の世界とも少し似ていますよね。
国語の勉強をしていると、「筆者の言いたいことは何か?」という問いに何度も出会います。
でも本当に大切なのは、文章の中に“感じる”ことができるかどうかなんです。
受験と読書の、ちょうど真ん中
中学受験の国語は、知識だけでは点が取りきれません。
語彙や読解技術はもちろん必要ですが、「言葉に心を込められるか」が試される教科です。
そんなとき、メーテルリンクのような作家の物語に出会うと、
「言葉って、こんなに美しいものだったんだ」
「読むって、心のどこかに火を灯すことなんだ」
ということに気づけます。
受験に直結するテクニックではないかもしれません。
でも、読書を通じて育てた“心の感度”は、必ず解答欄のすみずみににじみ出ます。
最後に:親御さんへ
お子さんが受験勉強の合間に、もしも少しだけ時間があるなら、
『青い鳥』を親子で一緒に読んでみてください。
難しい言葉もあるかもしれません。けれど、一緒にページをめくることで、
「読むこと=点を取ること」ではない、もうひとつの読書の意味がきっと見つかります。
国語は、人生を豊かにする力を育てる教科です。
だからこそ、試験の先にある「読む力」も、少しずつ育てていきたいですね。
質問や感想もぜひコメント欄でお聞かせください。
今日も読んでいただき、ありがとうございました!